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200円と400円のケーキ
ありがたいことに、震災や慢性化しつつある円高ドル安の状況にもかかわらず、上半期を過ぎた時点では、今年の売上は前年度を大きく上回りそうな様相です。これは、昨年度が前年度比-10~-20%ほど落ち込んだせいでもあります。

現在、私は何社かとお付き合いさせていただいています。1社をメインとすれば、その1社との取引が駄目になった場合に影響が大きいため、5,6社が理想的なのですが、やはりメインクライアントを優先しがちで、いつも最終的には2,3社程度におさまってしまいます。

その中では、もちろん単価のばらつきもあり、最高単価と最低単価との間では日英1ワードで5円もの開きがあります。なぜか、翻訳者に最も高いレベルを要求するのが最低単価の会社なのですが(笑)。

では、私はその会社間でどのような差別化を行っているかというと、大した差異はありません。人によっては見直し回数を変えたり、コメントを丁寧に入れたりというようなところで区別を図っているようです。その辺、翻訳というのは難しいもので、たとえば、200円のケーキと400円のケーキとを販売しようと思えば、おそらく食材のレベルや量を変えることで対応するでしょう。ところが、翻訳のレベルを明らかに落とすこと、あるいは上げることは難しく、単価がどうであれ、出来上がる原稿のレベルはそんなに大きく変わらないでしょう。世はファストファッション流行りですが、ファスト翻訳はさすがにしたくなく、許される状況でもありません。

問題はモチベーションです。どんな仕事でも高いモチベーションをもって自分基準の最高品質のものを提供するのが理想とは分かっていますが、そこは人間、なかなかその境地に達せません。

実は、これは翻訳に限らず、同じお店でも、高いお給料をもらって正社員として働く人間と、自給800円のアルバイト店員とからは同じ接客サービスを期待できないかもしれません。当人のモチベーションもきっと違うでしょう。もちろん客側としては同じお金を払っているとすれば、均等なサービスを要求するところですが。

当然ながら、低い単価の仕事はすべて断って高いもののみを受ける(これ以下の料金ではお受けしません、キリッ)というお殿様商売ができればそれに越したことはないのですけれど、「断る」ということはフリーランスの身からは意外と難しいものです。その辺りの話は次回ということで。翻訳には原価割れという心配はないので、いくら単価を落とそうとマイナスは発生しません。

多くの翻訳者はこのような葛藤をどんなふうに処理しているのか、たまに気になります。今週たまたま同じソースクライアント(ある事情で判明した)からの仕事を別々の翻訳会社から受注したところなのです。


いかがでしょう、御同業者の皆様。

【2011/07/29 09:46 】 | お仕事・お勉強 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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