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同業者へのオススメ小説
またまた久しぶりの本棚更新です。時間表示を見てくだされば分かるように、実は最近早起きに目覚めまして(まだ1週間ですけど)、これから朝ホンの予定です。いつまで続くかしら。




家の中は綿埃だらけで、洗濯物も溜まりに溜まり、生え際に出てきた白髪をヘナで染める時間もなく、もう疲労で朦朧として生きているのに母は死なない。若い女と同棲している夫がいて、その夫とのことを考えねばならないのに、母は死なない。ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?親の介護、姉妹の確執…離婚を迷う女は一人旅へ。




水村美苗さんの小説は上記の「本格小説」しか読んだことがないのですが、確かに寡作になるわ・・・と思わせられる重厚な内容です(上下巻で結構な量です)。ただ、難解というのではなく、小説の世界観に引き込まれたら一気に読み進められる勢いをはらんでいます。

今回読んだ「母の遺産」も同様、筆者の日本語力が遺憾なく発揮されています。ただ古臭いといえば言えなくもなく、両作品を通じてもっと魅力的な人間描写があればさらに面白くなるのにと思わないわけでもありません。毒親、介護の話は全く縁のない話でもないので読んでいるうちに段々暗くなってきます(汗)。

驚いたのが主人公の職業というか副業が翻訳であること、これはそう珍しくもないのですが、分野が特許翻訳であることです。特許翻訳者が出てくる小説なんて初めて読みました。その辺は作者も別に詳しそうではないので詳細には描かれておりません。

さて、水村美苗さんのことを少し紹介しておきます。

東京都生まれ。母は八木義徳に師事して、78歳で初の自伝的小説『高台にある家』を上梓した水村節子(1922-2008)。父親の仕事の関係で12歳の時に渡米。ボストン美術学校(en)、イェール大学フランス文学専攻、イェール大学大学院仏文科博士課程修了。ポール・ド・マンの教えを受ける。プリンストン大学講師、ミシガン大学客員助教授、スタンフォード大学客員教授として、日本近代文学を教える。

この経歴は小説の中にも見て取ることができ、職業柄、下記の「日本語が滅びるとき」も読んでみようと思います。




そしてついでにもう1冊、紹介します。





彼女たちを「違う世界」へ連れて行ってくれる魔法、それは――
『スタッキング可能』でわたしたちが〈洗脳〉されている「社会」の「不確定さ・不安定さ」と「個人」の「代替可能性」をシニカルに描いた松田青子が贈る、待望の第2作品集。

第二作となる短編小説集『英子の森』に収録された6編にも、普段の生活で見過ごされがちな違和感が満載。表題作「英子の森」では、“英語を使った仕事”に憧れるフリーター女性の仕事遍歴とそこに潜む問題点をあぶり出した。


こちらは最近様々な雑誌で取り上げられている松田青子さんの短編集です。女性ファッション誌などでも紹介されているところを見ると、「英語」に絡んだ仕事のあれこれという主題については世代を問わず女性の心を引きつけるものがあるのかもしれません。私は未読ですが、書評やレビューを見るだけでもかなり気になっています。このブログを読んでくださっている人々の中には翻訳者が多数いると想像するので、もしかしたらこちらも「日本語が・・・」ももうお読みになっているかもしれませんね。


お風呂の中での数十分と就寝前の数十分(寝付き悪いんです)、読書タイムは継続中。今後も少しずつ紹介していく予定です。


【2014/05/15 07:35 】 | 本棚 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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