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翻訳の視点
夏の買い物ネタも書きたいのだが、今日は週末に参加した定例の勉強会のお話。熱心に参加した時期もあれば、体調を崩し数年お休みした時期もあるけれど長年にわたり参加している勉強会。その間、経年変化(笑)により代替わりもあって、参加メンバーも変遷している。それがまたいい刺激になっているように思う。

どの業界でも同様だと想像するが、ご存じMの会も同じく、有志による会は本当にお得。たとえば翻訳を習おう、仕事にしようと思った場合、OJTとして学ぶ機会がなければ、ふつうは本などで独学するか、通学/通信教育を受けるか、の二通りしかないだろう。しかし、前者は比較的安価にすむ割に手間がかかり、遠回りだったりする。最近ではネットでいろんな情報を得られるけれど、一人で貴重な情報をできるだけ多く得ようとするのはやはり大変である。後者は当然ながらかなりの費用がかかる。そして、もう一つの欠点が、講師の影響を受けすぎてしまう点である。そのためには、様々なセミナーに出たり、学校に通ったりして広範な視点を身につけるのがよいが、ますますお金が出ていく羽目になる。


そこで戻るのが勉強会である。まあ、勉強会と言ってもメンバーが大事で、初心者や門外漢ばかりではメリットが少なく(ただし、それはそれでモチベーションを高め合うというメリットもある)、このメンバー選びが重要になってくる。様々なレベルにあり、様々な環境下にあり、自分の立ち位置においてアウトプットする能力/意欲がある人々を集めるということが、必須であると同時にとても難しいし、時間もかかる。でも、それが実現できたときには独学や学校では学べない貴重なことがたくさん学べるのである、ほぼ只で。

フリーランスの私は日頃、疑問に思っていることや、提案してみたいことがあってもそれを話す相手がいない。納期がある以上、独断で判断しなければならない。いくらSNSが発達したといえど、セキュリティや何やらの理由から、どんな疑問でも簡単にネット上にアップできるわけでもなく、ディスカッションにも限界がある。



いつものごとく前置きがまた長くなってしまった。


もうお気づきのこととは思うけれど、私が携わっている翻訳の分野は「特許翻訳」と「ビジネス全般」である。以前2足のわらじ時代、フリーでの仕事の比率は後者が9割を占めていたけれど今はその比率が逆転した。今後、どういう分野をやっていこうという野望(笑)のようなものはあるが、その話はまた別の機会に。そして上記の勉強会は「特許翻訳」をテーマとしている。

今回の勉強会では

「どんな翻訳がいい翻訳なのか」

という根源的なテーマについてまた考えさせられた。


特許翻訳には、「発明者」(発明するメーカー/クライアント)、「特許(法律)事務所」(発明を特許にすべく諸手続をするところ)、「特許庁」(発明が特許に値するかどうかを審査するところ)、「翻訳者」(発明を英語/日本語になおすところ)、非常にざっくりといえばこれだけの関係者が関わっている。

そして、全関係者にとって「特許を取得すること」が最終的な目標であることには変わりないのだけれど、クライアント側にとってはそれをいかに低コストで実現するかも大きな目標である。そこに至るプロセスや駆け引きもまた、特許事務所毎にいろいろな考え方やテクニックがある。そして、「明細書」(発明を文章にしたもの)を翻訳する翻訳者の考え方やテクニックもまた特許取得にはある程度の影響をもたらすものであることは想像に難くない。折角特許取得に至ったとしても、後日、特許訴訟が起こされ、それが翻訳の文言に関わる事例もある。


勉強会では、参加者の発注(メーカー)側、事務所内翻訳者側、フリーランス翻訳者側、という視点から、それをどう摺り合わせていくかを話し合うことができた。有名事務所や有名講師でも、英語表現に関わる考えは実は結構異なる。また、恐ろしいことに、特許を審査する国や地域、審査官自身によっても、法律も違えば嗜好も異なってくる。それに応じて臨機応変に翻訳も変えていかねばならない。

技術屋からではなく文系の英語畑から入った人間は、理系の実務文書を書く際につい「美しい英語/日本語」にこだわりがちになるが、特許翻訳では上記の観点や法律的な観点を勘案し「権利範囲の広い特許を取得できる/誤解のない、突っ込みどころのない文章」を書くように心がけねばならない。これが広報/宣伝系のビジネス文書となるとまた「一般消費者」という関係者が加わってくるので話が大きく変わってくる。きっとITや医薬なんかでも同じようにいろいろな観点があるのであろうと想像する。


一介のフリー翻訳者にそこまで求められるか否かは抜きにして、様々な視点を自分の中の選択肢として揃えておくことは大切だと思う。


ご同業者にとっては何を今更という実に当たり前のことを書いてみた。何年やっていても常に揺れている未熟者である(笑)。


勉強会参加者絶賛募集中♫



【2013/07/21 12:14 】 | お仕事・お勉強 | コメント(0) | トラックバック(0) |
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