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「モンローが死んだ日」
好きな作家の1人に小池真理子さんがいる。そして憧れる女性の1人でもある。

彼女の真骨頂は「危険な食卓」や「怪しい隣人」、「妻の女友達」などの短篇ホラーだと思う。





直木賞を受賞した「恋」以降は恋愛小説が主となって、彼女の作品から少し離れてしまった(ただ「恋」はさすがに面白い)。だが、久しぶりにこの2月まで「サンデー毎日」に連載されて反響を呼んだ「モンローが死んだ日」を読んでみた。



現代人の心の襞の奥底に踏み込む、濃密な心理サスペンスの誕生。

なぜ生きるのか? なぜ愛するのか?人が他者を、自らを支えきれなくなった時代、「生と性」の意味を問い続けてきた著者が贈る、渾身の感動長編!孤独の中を生きてきた男女が辿りついた場所とは――

幸村鏡子は、長野県軽井沢の外れにある花折町で小さな文学館の管理人兼案内人の仕事をしながら独りで暮らしている。夫を亡くしてから心身のバランスを崩していた鏡子は、町内の精神科クリニックで高橋智之医師の診療を受けはじめる。やがて鏡子と高橋医師は恋に落ちるが、高橋は突然姿を消してしまい......。



彼女自身の年齢と相まって還暦間近の女性の恋愛がテーマとなっている。この世代の女性の心理を描き出した小説は意外と少ない。恋愛だけではなく、夫を亡くし心のバランスを失っていく絶望と再生が描かれている。謎解きとしてはラストは想像通りだけれども、いろいろな読み取り方ができる作品だと思う。


「本棚」アップがなかなか進まない・・・。最近、行きつけの図書館のHPが新装されて、今までも予約の際に便利に使っていたが、さらに改良されて自分の本棚リストが作成できるようになった。きちんと記録していけば、あの本読んだかな?と悩むこともなくなりそうだ。みなさんもお近くの図書館のHPを今一度確認してみることをお勧めする。


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【2016/01/25 10:06 】 | 本棚 | コメント(0) | トラックバック(0) |
宮古島旅行記・番外編-活字中毒
読書家と言うのはおこがましいけど、バッグの中には大抵いつも本が入っている。電車では大多数の人がスマホを覗き込んでいるが(電子ブックを読んでいる人もいる?)、私は昔通り紙の本。昭和だわ。

だから、旅行にももちろん数冊を携える。本はまとまると重いので、そろそろKindleにすべきだよなぁと思いつつもスーツケースに本を詰める。旅先で何を読むかなと考えるのも旅の一興。それに、ビーチやプールサイドで、飲み物の横に広げておくのはやっぱりタブレットよりも本の方が似合う気がする。何事も格好から入るタイプなのだ。


今回のテーマは「食」とした。

★「ベーコン」井上荒野


人の気持ちが動くとき、人生が少しだけ変わるとき、傍らにある料理と、それを食べる人々の心の機微を描いた珠玉の短編集。食べるという日常の営みが垣間見せる、エロティックで色濃い生の姿。

初めてだった。男から、そんな目で見つめられたのは―。家族を置いて家を出た母が死んだ。葬式で母の恋人と出会った「私」は、男の視線につき動かされ、彼の家へ通い始める。男が作ったベーコンを食べたとき、強い衝動に襲われ…表題作ほか、人の心の奥にひそむ濃密な愛と官能を、食べることに絡めて描いた短編集。単行本未収録の「トナカイサラミ」を含む、胸にせまる10の物語。



小説家の二世の中では特に好き。「淡々」と「濃密」がなぜか両立するような文章力がさすがだと思う。そして、食べ物の話を描かせると本当に上手い。この短編集も、食べ物の描写が生きている。食べるって一種エロティックな行為だから。


★「みをつくし料理帖」。高田郁


神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大阪と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!




江戸時代の人もこんなものを食べていたのかしら。お江戸にタイムスリップしたくなるような料理の数々。興味津々の吉原の状況も描かれる。シリーズは「天の梯」で完結したので、未読の方はまとめて読めるのでうらやましい(これまで新刊を待ちつつちまちまと読んでいた)。


★「メタボラ」桐野夏生


記憶を失った“僕”は、沖縄の密林で職業訓練所から脱走してきた昭光と出会う。二人はギンジとジェイクに名を替え、新たに生き直す旅に出た。だが、「ココニイテハイケナイ」という過去からの声が、ギンジの人格を揺るがし始める―。社会から零れ落ちていく若者のリアルを描く傑作長編。

「食」とは関係ないけれど「メタボラ」。なぜかというと宮古島が登場するから。桐野節が炸裂していて、やっぱり彼女の小説が好き。重い題材なのだがすいすい読みふけってしまう。沖縄弁がリアルに聞こえてくるようで、現実でもつい「なんとなんと」と口をついて出てくるようになった。


時間に追われず、予定にも縛られず、冷えた白ワインなんか飲みながら、美味しそうな本を読み、気が向いたら昼寝する。景色はウミガメが泳ぐラグーン、白い砂浜、碧く透き通る海、&ノワっこ。

これがたった3泊4日というところがなんともはや笑えるのだけど、一ヶ月もすれば飽きるのだろうか、街が恋しくなるのだろうか。セミリタイヤの夢ますます広がり中。




【2015/11/13 09:00 】 | 本棚 | コメント(2) | トラックバック(0) |
虫も猫も人間も
シルバーウィークが迫ってきたと思ったら、やはりというか依頼も立て込んできました。普通の人のようには遊ばせませんよという圧力を感じます。セミリタイアなどとよく口走っていますけど、10年後もなんだかんだ言って働いているのではないかと、自分はアリかキリギリスかを決めかねぬまま日々が過ぎていきます。


電車に乗っていて本を読む人の姿はめっきり減りましたね。多くの人がスマホを覗き込んでいます。週末に会った人から、

「ガラケーですか!」

と驚かれました。一周回って何かしらの主義を持ち合わせた、あえてのガラケー使いとみなされがちですが、単に変えるのが面倒だし、壊れるまでは使いたいというケチな性格の所以です。MYガラケー、洗面所に落としても、水たまりに落ちて分解しても生き返る素晴らしい生命力を持っています。(今のところは)家の外ではなるべくアナログでいたいと思っています。

いつものごとく話がどんどんずれていっています。本です、本。電車、ベッド、お風呂の中など、合間合間を見つけて読書は続けています。久しぶりに本棚カテゴリーの記事をアップします。






「ぐずぐず生きる」「80歳を過ぎたら手術は受けない」「仕事が嫌いなら、心を込めずに働く」「がか検診は受けない」…。人はいつか必ず死ぬ。崩壊寸前の日本の社会システムのなかで、どうしたら有限の命を面白く生きられるだろうか。そもそも面白いとはどういうことか。飾らない人生観と独自のマイノリティー視点で、現代社会の矛盾を鋭く突く!生きにくい世の中を少しでも快活に過ごす、本音炸裂エッセイ。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池田/清彦
1947年、東京生まれ。東京教育大学理学部卒業、東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。現在、早稲田大学国際教養学部教授。構造主義科学論、構造主義生物学の見地から、多彩な評論活動を行っている。


池田先生は「ホンマでっか!?」に出演し始めて知名度がさらに上がったみたいですね。私はこの番組はあまり見たことがないのですが、池田さんの著書は大好きです。

完全文系なのですが(この括りはナンセンスという議論はおいといて)、文学を除けば、スピリチュアルや精神論に傾いた自己啓発系の本は少し苦手です。真偽はさておき、科学的立証や検証に基づいた本の方が好きです。池田氏の著書には生物、特に昆虫を絡めた指摘が多く、そこが面白いところです。人間もしょせん、生物の一種にすぎませんから。

個人的には、一人一人が才能を生かしてキラキラと生きる--というよりも、大半の人間は人並みの才能しか(つまり何の才能も)持っていない、ほとんどの人が凡庸なのだと語る氏のスタンスが、ここまで生きてくると腑に落ちます。


科学者ではありませんが、何となく同じような匂いを感じる佐野洋子さんのエッセイも好きです。

神も仏もありませぬ (ちくま文庫)
佐野 洋子
筑摩書房
売り上げランキング: 5,012



呆けてしまった母の姿に、分からないからこその呆然とした実存そのものの不安と恐怖を感じ、癌になった愛猫フネの、生き物の宿命である死をそのまま受け入れている目にひるみ、その静寂さの前に恥じる。生きるって何だろう。北軽井沢の春に、腹の底から踊り狂うように嬉しくなり、土に暮らす友と語りあう。いつ死んでもいい、でも今日でなくていい。


「私は毎日フネを見て、見るたびに、人間がガンになる動転ぶりと比べた。ほとんど一日中人間の死に方を考えた。考えるたびに粛然とした。私はこのような畜生に劣る。この小さな生き物の、生き物の宿命である死をそのまま受け入れている目にひるんだ。その静寂さの前に恥じた。私がフネだったら、わめいてうめいて、その苦痛をのろうに違いなかった。」

という箇所があります。今まで何匹かのペットを見送ってきました。そのときに思ったのがちょうどこのようなこと。動物を飼うって、可愛がり、癒やされるというだけでなく、いろんなことを教えられ、自らが変わるきっかけを与えてくれることなのかもしれません。


最近、中国韓国王朝ドラマにはまっています。これはライオンの群れだわ!と大好きな「ビッグキャットダイアリー」とあわせもって見ています。



【2015/09/12 10:55 】 | 本棚 | コメント(2) | トラックバック(0) |
「その女アレックス」
今日は本棚の記事。通っている美容院のオーナー男性も小説好きでいろいろと情報交換している。彼はマンガもゲームもサッカーも詳しくて、それもまた美容院に通う楽しさの一つである。この本はまだ積ん読状態らしい。


その女アレックス (文春文庫)
ピエール ルメートル
文藝春秋 (2014-09-02)
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おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。

「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。



宝島社ムック「このミステリーがすごい!2015」の海外部門第1位
「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第1位
『ハヤカワ ミステリマガジン』「ミステリが読みたい!」海外編第1位
「IN☆POCKET文庫翻訳ミステリー・ベスト10」第1位、
英国の「英国推理作家協会 インターナショナル・ダガー賞」
フランスの「リーヴル・ド・ポッシュ読書賞」を受賞。


6冠を制し話題の海外ミステリ「この女アレックス」、遅まきながらやっと読破した。最近、日本の小説ばかり読んでいたが、このところまた海外の小説やミステリへの興味が戻ってきた。読みたい本も溜まっており時間が本当に足りない(参考書や専門書も溜まっているのだけれど全く触手が動かないのが辛い・・・)。

さて感想。本紹介にあるように「未曾有の読書体験」、「衝撃の大どんでん返し」というのとはちょっと違う。ラストの謎解き?もミステリ慣れした方には予想できないという程でもない。プロット自体はさほど凝ったものではない。

しかしながら、この小説の新しいところは構成だと思う。ネタバレできないので詳しくは語れないが、途中で視点が大転換し、それが不自然ではなく益々興味を誘い、読者を飽きさせない。ただ文章はまだ生硬な部分も目につき、そこがちょっと残念な気もするけれど、フランスらしいエスプリの効かせ方は嫌いではない。そして登場人物もキャラ付けも生きている。ミステリは登場人物(刑事/探偵)の魅力に大きく依存する(私はやっぱり古典のポアロ、マープル、金田一耕助が好き!)。カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズもの、もう少し読んでみたい。

「ミレニアム」などちょっとグロっぽいものは苦手、という人以外にはやっぱりお勧めである。


【2015/01/29 10:04 】 | 本棚 | コメント(2) | トラックバック(0) |
病床の友へ
お正月明け早々、友達が脚の骨を折って長期入院をするという知らせを聞いた。子供も二人、家業の自営業を旦那様と一緒に切り盛りしている。自分の身体も心配だろうが、子供や家業のことが随分と気になるだろう。手術も控えているので直接のお見舞いは落ち着いてからとした。

ただ内臓や脳などにはほぼ外傷はないらしいので日にち薬が癒やしてくれると思う。まだ若いから元通り元気になる日も近いだろう。世の中に無駄なことはないので入院生活から何かを得られるはずだ。

とはいうものの不安だし、とっても退屈だと思うので、旦那様に本を託すことにした。私ならば、凝った欧州ミステリや、文章も楽しめる京極夏彦の「姑獲鳥の夏」や、なかなか前へ進めないトーマス・マンの「魔の山」のようなぶ厚い本を持ち込むだろうけど、友達は日頃本は読まないタイプだ。

気に入ってくれるかどうか心配だけど、私も好きな画集と写真集を送ることにした。






午前中絵と詩を描き、午後随筆を口述筆記してでき上がったのが、この『鈴の鳴る道』です。詩画のほとんどは、「百万人の福音」(いのちのことば社)に毎月載せていたものです。一部描きなおしたものもあります。朝日新聞群馬版に載せたものを、新たに描きなおしたものもあります。花を中心に描きましたが、風景や動物もいくつか入れました。私には花も豚も風景も、同じように美しく見えるのです。

鈴の鳴る道


「鈴の鳴る道」ってどういう意味なのかは是非本を読んでもらいたい。骨折で入院中の人間に、頸髄損傷で車椅子生活の画家の画集を送るのも何なのだが、彼の絵、そして言葉は素直に心に響く。




美しい風景は大自然の中だけでなく、見上げた空に、日の光の中に、そして降り注ぐ雨の中にもある。天候や季節を表す豊かな日本語を300点余りの写真とともにまとめたフォトミュージアム。光琳社出版1992年刊の新装版。

空の名前


同じく日頃本を読まないうちのだんなさんもこれなら嬉しいなぁと言ってくれた。四季がある日本って本当に美しい国だと実感できる。空をゆっくり眺める暇なんてなかっただろう忙しい日々から一転、繊細な季節の移り変わりを静かに感じ取る時間も一生の中で必要なのだと思ってもらえればいいのだけれど。

人間、健康に越したことはない。でも死ぬほどではない不調なら神の恩寵だと思うことが時にある。早くよくなって、また一緒に笑いながら美味しいものを食べたいな。


【2015/01/13 09:00 】 | 本棚 | コメント(2) | トラックバック(0) |
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